九州土木遺産調査研究

 本事業は、若い土木技術者達をはじめとした関係者が土木の仕事に誇りを持ち、土木への志を奮い起こさせ、土木技術の啓発・継承や継続的な人材育成に役立てるための調査研究です。
 先人達が時代の技術や知恵を集結し、次世代のために築造した歴史的な土木施設に光を当て、観光、地域振興に活用することを目的に、協会がまとめた土木遺産(247箇所)を平成17年度より当協会ホームページにおいて「土木遺産in九州」として一般公開してきました。

土木遺産の活用策検討

1.検討の目的・概要

 本検討は、土木遺産の活用により地域の活性化を促すために行うものであり、令和元年~3年度においては、専門家によるワーキング及び委員会形式により、土木遺産の活用を図るための基礎調査や活用方策の検討を行い、広報資料として「土木遺産な旅のススメ(案)」を作成しました。
 令和4年度は、これまでの検討結果について実践地域で試行の検討を行い、その結果を基に「土木遺産な旅のススメ」の発刊に向けての原稿を作成しました。

2.令和4年度の検討内容

(1)土木遺産活用の試行箇所の検討

 昨年度試行した川、道のフィールドに加え、第1回WGの意見も踏まえ、港を含めた「まちづくり」の視点で「長崎市」と「唐津市」の2箇所を選定し、地域の土木遺産の調査とともに、地域活動団体に対して連携の可能性を検討しました。
 令和4年7月30日~31日、長崎で現地調査及び地域活動団体と意見交換会を行いました。
 なお、9月19日予定の唐津市現地調査が台風接近により中止となったため、12月7日の第3回WGにおいて、唐津市の地元団体と意見交換を行いました。

長崎の視察実施状況(本河内低部ダム)
長崎の地元団体との意見交換

(2)土木遺産活用策検討委員会(WG等)の実施

 各専門分野の立場から土木遺産の活用に向けた調査や地域活性化の取組、広報展開等について検討する場として、以下のWG及び編集会議を実施しました。

●WGの実施

【WG委員】(五十音順)
  • 石橋 知也        長崎大学大学院 工学研究科 准教授
  • 片田江 由佳       プロセス・プランナー/コンサルタント
  • 高山 美佳(副委員長)   LOCAL&DESIGN株式会社 代表取締役
  • 田中 尚人(委員長)    熊本大学大学院 先端科学研究部 准教授
  • 寺村 淳         第一工科大学 工学部 環境エネルギー工学科 准教授
【開催日時】 第1回WG:令和4年5月13日
第2回WG(長崎市現地視察):令和4年7月30日~31日
第3回WG:令和4年12月7日
第4回WG:令和5年3月6日

●編集会議の実施

WGの高山副委員長を編集長として、「土木遺産な旅のススメ」の編集作業を進めました。

【開催日時】 第1回:令和4年12月13日
第2回:令和5年1月16日
第3回:令和5年1月31日
第4回:令和5年2月13日

(3)土木遺産活用策検討委員会の実施

 土木遺産活用策に関するWGでの検討結果を踏まえ、令和5年3月27日、今後の土木遺産活用に向けての方向性を検討する場として土木遺産活用策検討委員会を開催し、「土木遺産な旅のススメ」発刊に向けた原稿内容の了承とともに、今後の「土木遺産な旅のススメ」の利活用推進のあり方等についてご審議頂きました。

【委員会委員】(五十音順)
  • 高山 美佳       LOCAL&DESIGN株式会社 代表取締役
  • 田中 愼一郎      一般社団法人 九州地域づくり協会  理事長
  • 田中 尚人       熊本大学大学院 先端科学研究部 准教授
  • 玉川 孝道(委員長)   元西日本新聞社 副社長
  • 吉武 哲信(副委員長)  九州工業大学大学院 工学研究院 教授